003_五辻の家   

五辻の家

西陣にある、大宮通りから北野天満宮東門までの東西通り「五辻通り」沿いに位置する平屋建てを、アーティストのシェアスタジオ「VOSTOK」へ改修。はす向かいは日本に唯一残る、織機部品のひとつ「杼屋」さん、お隣は西陣織の糸巻きのお宅。そんな界隈にある、築80年を超えるかつて西陣織工場だったこの物件は、間口に対して奥行きがはるかに長く、解体してみると、糸とともに木製プーリーなどの当時の設備が屋根裏に残されたままだった。幅3.6m奥行き25mという広さに必要な室や機能を当てはめていったと思われる、これまでのつくり方・使い方から、複数アーティストがそれぞれに制作をおこなうためのスペースを取れるよう、内壁を全て取り去り土間敷に。水道・シャワー・トイレなどの住居機能は道路側に設置した小屋にまとめ、共有スペースにした。また長い物件の魅力を生かすために、作品運搬用として入り口から奥庭までつながるレールを土間に仕込み、壁面や棚など、アーティストによって自由に設置される余白を充分に残した。

名称:五辻の家
住所:京都市上京区
構造:木造平屋建
面積:約74.04㎡
用途:制作スタジオ
設計・施工:TANK + artists
写真:OMOTE Nobutada

[ 工事前写真 ]