007_ 大徳寺の家

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007_大徳寺の家 

大徳寺の家

大徳寺にほど近い、2階建の物件を住居兼スタジオに改装。大家さんは芸術大学で教鞭を執られておりご自身もアーティストという、アーティストやものづくりを行う入居者にとっては一番の理解者ともいえる好条件の物件である。

今回のこの物件は、これまでも陶芸の作家がスタジオ兼住居として利用していたものを、屋根や水回りなど生活導線を見直したうえで全て刷新、新たに制作スタジオ兼住居として貸し出すものである。

立地はバスの本数が多い千本北大路や船岡山のバス停が近く、自転車で地下鉄北大路駅までもすぐの距離。ショッピングモールも近いので便利。落ち着いて制作しながら生活したい作り手向きの物件。

“これまでのBasement Kyotoの物件は完成前に入居者が決定していたものばかりでしたが、今回は完成後の入居者募集です”

名称:大徳寺の家
住所:京都市北区
構造:木造二階建
面積:約58.7m2
用途:住居兼スタジオ
設計・施工:TANK + 京都造形芸術大学 URLTRA FACTORY (kumagusukuプロジェクト)
写真:OMOTE Nobutada

006_佐竹の家

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006_佐竹の家 

佐竹の家

BK003「五辻の家(Vostok)」にほど近い、西陣エリアにある2階建の物件を住居兼スタジオに改装。大家さんは明治7年創業の西陣の織元であり、かつては織機の音が町中に響くエリアに明治期に建てられた築100年以上の町家だ。

入居アーティストは、偶然にも若い染織作家とそのパートナーとなった。彼女の制作のテーマは、「記憶に残る風景、色、草木を裂として残せるように。誰かにとって、心の拠り所となる着物を織っていきたいと願います」というもの。昔からあった上げ床はそのまま残して手織りの織機が入るスタジオとし、かつての生活の名残であるかまどをはじめ建具や設えも転用や修繕を行い、建てられた本来の姿に寄せる改修をおこなった。また、糸を草木染めするための水場、生活に必要となる水周りの整備も並行しておこなった。

今回入居する染織作家は、機織りをする音を出しても大丈夫な物件を探しており、ここ西陣では全盛期には早朝から休みの日にも織機の音が響くことが通常であったため、まちの方々が機の音に対して親近感を持っている。大家さんをはじめ昔ながらの機織りの音が消えゆくことを残念に思う地域の方々からはこの若い染織作家の入居を歓迎する声も聞こえている。

この物件に入居するアーティスト
吉田未央(染織作家)

名称:佐竹の家
住所:京都市上京区
構造:木造二階建
面積:約58.5m2
用途:住居兼スタジオ
設計・施工:TANK + 京都造形芸術大学 URLTRA FACTORY (kumagusukuプロジェクト)
写真:OMOTE Nobutada

005_室町頭の家

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005_室町頭の家 

室町頭の家
同志社大学今出川キャンパスにほど近い場所にある築120年を超える元住居を、3人の作家がシェアするギャラリー兼共同スタジオへ改修。
正面に「食品店」の切り文字看板が残っている通り、住居の前には店舗として使われていた。
道路に面する土間部分が当時の「ミセ」空間だったと推測されるが、住居利用に際して同空間に室が増築。
今回の改修でその室を撤去し、あわせて2階床も取り除いて吹き抜けとした。
奥の制作空間につながる扉を閉ざすと、アイレベル上ではホワイトキューブが成立するが元要素が残るという特徴的な風景が生まれている。

名称:室町頭の家
住所:京都市上京区
構造:木造平屋建
面積:約38.32m2
用途:ギャラリー・共同スタジオ
設計・施工:TANK+ 京都造形芸術大学 URLTRA FACTORY (kumagusuku プロジェクト) + artists
写真:OMOTE Nobutada



[ 工事前写真 ]

004 西ノ京の家

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004_西ノ京の家   

西ノ京の家
JR二条駅から徒歩圏内に位置する平屋建て物件を、大きなキッチンスペースを持つワンルームに改修。これまでのBasement Kyotoで手がけた物件よりもコンパクトな面積であるため、その分リーズナブルな賃料となっている。近くにはさまざまな食材を求めて多くの人で普段から賑わう三条会商店街があり、敷地につながる細い道を出るとすぐに公園があるという好環境となっている。もともと民家だったこの物件だが、私たちが最初に出会ったときは、かつての住人がDIYでの改修(正確にはそれを諦めた)跡が見て取れるような状態だった。新たに入れたツーバイフォー材、つくりかけの土間など、活用が困難そうな一つひとつの部分を引き継ぎながら改修をおこなった。借り手として、フードディレクションを手がけるデザイナーから、新たに自身のお店を開く料理人へ2020年にバトンが渡された。

この物件に入居するアーティスト
珍坂綾/ワタシノ[渡り鳥アザレア食堂]
instagram: (https://www.instagram.com/watashino333/
Facebook: (https://www.facebook.com/watashino333/

名称:西ノ京の家
住所:京都市中京区
構造:木造平屋建
面積:約36.41m2
用途:住居 + スタジオ
設計・施工:TANK+ artists
写真:OMOTE Nobutada



[ 工事前写真 ]

003 五辻の家

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003_五辻の家   

五辻の家

西陣にある、大宮通りから北野天満宮東門までの東西通り「五辻通り」沿いに位置する平屋建てを、アーティストのシェアスタジオ「VOSTOK」へ改修。はす向かいは日本に唯一残る、織機部品のひとつ「杼屋」さん、お隣は西陣織の糸巻きのお宅。そんな界隈にある、築80年を超えるかつて西陣織工場だったこの物件は、間口に対して奥行きがはるかに長く、解体してみると、糸とともに木製プーリーなどの当時の設備が屋根裏に残されたままだった。幅3.6m奥行き25mという広さに必要な室や機能を当てはめていったと思われる、これまでのつくり方・使い方から、複数アーティストがそれぞれに制作をおこなうためのスペースを取れるよう、内壁を全て取り去り土間敷に。水道・シャワー・トイレなどの住居機能は道路側に設置した小屋にまとめ、共有スペースにした。また長い物件の魅力を生かすために、作品運搬用として入り口から奥庭までつながるレールを土間に仕込み、壁面や棚など、アーティストによって自由に設置される余白を充分に残した。

名称:五辻の家
住所:京都市上京区
構造:木造平屋建
面積:約74.04㎡
用途:制作スタジオ
設計・施工:TANK + artists
写真:OMOTE Nobutada

[ 工事前写真 ]

002  壬生の家

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002_壬生の家   

 

 

壬生の家

現所有者が子供の頃住んでいた、築80年を超えるご実家を改装。1階部分を閉ざしていた高さのある木板の塀を撤去し、光を取り込んだ。また、四条通沿いからも印象的な風景を見せていた、密生する植木を整理した。傍を頻繁に車が通り抜けていく場所でもあるため、無垢のガードレールを塀の代わりに利用、土間の制作スペースへの視線を遮りながらも、閉ざしすぎないようにしている。以前の増築の際に、新たに使用された当時の新建材は必要に応じてはがし、かつて使われていた照明に再び明かりを灯した。

施工中に入居者が決まったため、新たな住み手・使い手となるそのクリエイターの意向にあわせたデザインが施されており、「支持体」としての性格は「五条の家」のときよりは控えめになっている。が、土間スペースは店舗使いも受け入れられるため、多様な可能性に開かれている。

 

名称:壬生の家
住所:京都市中京区
構造:木造2階建
面積:約72.71㎡
用途:居住用および制作スタジオ
設計:Loöwe+TANK
施工:Loöwe+TANK
施工協力:京都造形芸術大学ULTRA FACTORY
写真:OMOTE Nobutada

[ 工事前写真 ]
 

  

001_五条の家    


以前は酒屋兼住居だった築70年を超える町家を改装。1階をアーティストの制作スペースとして使用できるよう床を撤去して土間にし、天井高を確保。壁面は意図的に「下地」のまま留めることで、新たに壁をつくったり絵をかけたりなど住み手が関われる余地を残した。玄関は通りに面して大きく開け放つことができるため搬入出もしやすく、土間空間と連続させて車庫としても使用可能。2階はワンルームで、作業台としても使える大きな備え付けのキッチンテーブルがありデスクワークにも対応。かつて防空壕だった空間や屋根裏空間を残しており、アイデア次第で面白い活用の仕方が様々に展開できる物件。

名称:五条の家
住所:京都市東山区
構造:木造2階建
面積:約66.57㎡
設備:駐車場・トイレ・浴室・収納・キッチン・土間・地下室
設計:Loöwe
施工:Loöwe+TANK
施工協力:京都造形芸術大学ULTRA FACTORY
写真:OMOTE Nobutada
[ 工事前写真 ]